君色 **空色**
「おじゃましまーす」

そう言って私が車内に入ると、運転席の男性から「どんどんお邪魔しちゃってください」と人の良い笑顔を浮かべている

その声に聞き覚えがあり、彼が誰なのか私はすぐに分かった


「あ、えっと、もしかして電話の方ですか?」


そう尋ねると「電話の方ですね。鈴木秀哉って言います!敬語なしね。よろしく」と彼、鈴木くんは爽やかな笑顔を私に向ける


「あ、えっと、楠木陽菜です」


アタフタしながら私も挨拶を返すと、後部座席からも声をかけられる


「俺は木下悟ね♪翔太とは高校が同じ、野球で知り合ってん」


絶対クラスに1人はいるような、明るい雰囲気を前面に出すのが、木下くん


「俺は宮本櫂。悟と同じで、翔太とは高校からの付き合いだ」


クールな感じで落ち着いた雰囲気を持つ宮本さんは、言葉からして同い年のハズなのに、まるで年上のように錯覚するような感じの人だ


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