君色 **空色**
彼らが自己紹介している間に、いつの間にか車は出発している


「楠木陽菜です。何だかお邪魔しちゃったみたいで……」


4人の雰囲気を見ていると、どう考えても仲良し4人組が久々に集まった感じなのに、ここに私がいて良いのだろうかと疑問に思ってしまう

私の言葉に「何で?」と運転しながらバックミラーで私を見る鈴木くんに、正直にその事を言ってみると「そんな事ないわ~」と後ろから声がした


「来てくれた方がええって!!こんな、男4人で初詣とかむさいだけやわっ」


振り返ると、木下くんが先ほどの言葉を言っていたようで「こんな可愛い子ならいくらでも来てください!!」とニッと私に笑いかけた


「えっ!?いや、私、可愛くないし……えっと、その」


慌てて首を振りながら『こんなのお世辞に決まってるんだから、あんまり続ける話じゃないよね』と考える

話を逸らしたいところだが、変わりの話題が思い浮かばずさらに私はアタフタしていると、宮本さんが「悟、あまり彼女を困らせるな」と助け船を出してくれた

そこからは、ずっと私への質問大会になってしまう

私の事を聞いて面白いのかなぁと、心の中で首をかしげていると、話は音楽の話へ


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