君色 **空色**
「好きなアーティスト……あ!私あの人好きですよ♪」


そう言って私が名前を挙げたのは、子供のいるお母さんなのにとっても細いモデルで、映画にも出演してしまうようなカッコいい女性アーティスト

しかしそれを口にした瞬間に、車内が一瞬静かになった


「く、楠木さんさぁ~あれは?」


沈黙を破って木下くんが、ある女性アーティストの名前を挙げてくる


それはよく合コンなどで、女の子が歌うような曲を出す女性アーティスト


「うーん、聴く事もあるけど、あんま女の子女の子してるのは似合わなくない?」


少し考えてから私がそう言うと、すぐに彼らはそろいもそろって


「いや、普通に似合ってるで…」
「さくらんぼとか似合うと思うけど」
「むしろ、そっちのが」


と否定されてしまった

私って、どういうイメージ?

そう私が首をかしげているうちに、目的地である神社にたどり着いたらしく、車が停まった



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