君色 **空色**
入った教室は、来た事のない私ですら、懐かしさを感じる

どこの学校も、ベースは一緒なのだろうか?

お決まりの机とイス

黒板が前と後ろにあって

古びたカーテン

それらを眺めながら、ここで彼は高校生活送ったのかと考えていると、彼が私の横を通り抜けて、ある席に腰かけた

たぶんそこが彼の席だった場所なのだろう

そんな彼の姿を見ながら、私の視線は教卓で止まる

教卓の方に向かい、彼と向き合う形に立つと、私は「ここに岩崎くんが立つ日がきたりするのかなぁ」とニッと笑って言った

それから、少し意地悪く「でもその前に単位取ってもらわないとね」と笑って付け足す

私のその言葉に対抗するかのように、彼は席を立つとこちらに向かいながら「楠木先生が教卓につく日は来るのかなぁ?」なんて言ってきた


「私は第1志望は出版社だもん」


そう返して私はベッと舌を出した

そう、私の第1志望は一応、出版社だ

「本好きだからね~」と付け足した後に「まぁ、教師も良いかもって思うけどね。子ども好きだし」と言って、私は彼に笑いかけた



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