君色 **空色**
「陽菜ちゃんは本当に良い子ねぇ~」


岩崎くんの叔父さんが帰宅したことにより、始まった夕食

いつの間にやら『楠木さん』から『陽菜ちゃん』に叔母さんの私の呼び方が変わっている

これは喜ぶべきなのだろうが、今の私としてはご飯の味がよく分からないような状態だ

岩崎くんの叔父さん、叔母さん、お兄さん、お義姉さんという大物揃いの中での食事だ

亮太くんを見て、平常心を保つのが精一杯

ポジティブに物事を考えるとするならば、彼の両親でなかっただけ緊張度がマシだと思うべきだろうか

そんな事を考え出した私は、食事の間中ずっとあれやこれやと質問されながら、アタフタしていた

そんな、いつもは質問をしまくる方に徹する私が、質問大会にようやく慣れてきた頃、彼の家族との食事が終わる


『つ、疲れた……』


そう思いながら、私は彼に連れられて1度彼の部屋へ避難

ついでに天使も引き連れてだ


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