君色 **空色**
彼の部屋にあるテレビを、天使こと亮太くんと一緒に見ながら私は楽しく微笑んでいる

眺める番組は、亮太くん向けのアニメだ

懐かしさもこみ上げてくるアニメ番組を亮太くんの隣で観ていると、彼はやっぱり少しご機嫌斜め?

何と言うか、結局いじけちゃっている


亮太くん相手にヤキモチやいているのなら、面白すぎるなぁ


そんな事を考えながら、わざと亮太くんとイチャイチャしてみたりする

そうやって彼の様子を窺っていると、ノック音がしてから部屋の扉が開いて、綾那さんが顔を出した


「3人の誰か、お風呂入っちゃって。もう下の大人組は中々動いてくれないから……」


1階はどうなっているのか不明だけれど、綾那さんは少し疲れた様子だ

これは下に行くと大変そうだなぁと思いながらも、子供組は相談会が始まる


「俺は後で良いよ」


すかさず彼はそう言うと、私の横で亮太くんは「陽菜ねぇちゃん一緒に入る?」なんて可愛い笑顔を浮かべて私をお風呂に誘ってきた


「ダーメ!亮太はもう1人では入れるだろ!!」


亮太くんの問いに私がどう答えようかと逡巡している間に、彼が会話に割り込んでその計画を阻止した

これは確実に、亮太くん相手にヤいている様子

こみ上げる笑いを我慢しながら、私は亮太くんに「だって。残念亮太くん、先お風呂入っておいで」と笑顔を向けると、彼はあっさり「うん!」と言って1階へと去って行った

その様子を見ていると、案外岩崎くんの反応を見て、子供ながらに『面白い』と思ってやっているのかもしれないという『亮太クン黒い疑惑』が浮上してしまい、自分に苦笑してしまった


< 192 / 292 >

この作品をシェア

pagetop