君色 **空色**
亮太くんがお風呂に入っている間、私たちは1階へとおりた

いくらなんでもずっと上にひきこもっているのも、何だか皆さんを避けているようで気が引ける

そう思ってリビングにやってきたのだけれど、亮太くんのお風呂は烏の行水のように早かった

髪の毛を濡らしたまま、彼はトコトコと勢いよく走ってくる


「陽菜ねぇちゃん、おさきぃ~!!」


勢い良すぎて、亮太くんのタックルが若干痛い

そのまま後ろに倒れそうになる私をスッと後ろから支える手


「あ、すいません……」


後ろを振り返ると、岩崎くんのお兄さんの孝太さんが私を支えてくれた様子


「ごめんね、亮太元気よくて」

「いえいえ、楽しくて良いです」


孝太さんの笑う顔は、本当に岩崎くんにそっくりだ

岩崎くんより少し身長の高いこと以外は、見た目は特に違いはない

でもさすが7つ年上

落ち着いた、素敵なお父さんだ


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