君色 **空色**
お風呂からあがって下着を身につけると、ジャージを着てみる


「お、大きい……」


細い彼だからどうだろうかと思ったけれど、肩のない私には十分大きかったよう

Tシャツの袖を折ってまくりあげ、ズボンの裾を何回か折り返す

それから脱衣所に置いてあったドライヤーを拝借すると、濡れて重くなった長い髪を乾かしていった


「お先です」


すべての作業を終えて私が脱衣所を出ると、岩崎家がリビングに大集合していた

ポーチに入れていたゴムで髪を1つにまとめると、私は亮太くんの隣りに腰を下ろした

私と入れ替わりに「俺フロ入ってくる」と誰に言うでもなく言って、彼はリビングを出て行った


………この状況って、私結構ピンチかも?


彼氏の家族に囲まれているのに、助けを求める事の出来る相手は今ここにいないわけで……

そう悩んでいると、広子さんが私に笑顔で話しかけてきた


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