君色 **空色**
次の日の『社会調査論』のテストは2限目から始まる

いつものように早めに学校に着いたけれど、テストの教室が4部屋に分かれているために、道に迷ってしまった

たまたま途中で出会った、学籍番号の近いコレちゃんに助けられて、なんとか教室にたどり着く事が出来た

何だか…自分の方向音痴度にあきれ果てる…

なんとか自分の席までたどり着き、席につくと、今日も彼は私より遅れてやって来た

周りがガヤガヤとうるさいので、私は何も言わずに目だけで挨拶する

彼もそれに気がつくと、軽く私に会釈し返した

その表情をトモちゃん達は『半笑い』なんて言う


けれど私は落ち着く笑顔だと思うんだけれどなぁ


そんな事を考えながら、レジュメに目を通す

そうしているうちに、先生たちが入ってきて、お決まりのテストの説明が始まった

その間に私は、学生証とペンの用意をする

レジュメをカバンに入れると、隣にプリントが回ってくるのが目の端に映った

プリントが回ってきた彼は、残りの枚数を見て「あれ?」と言っている

彼の方を振り返ると、どうやら枚数が足りない様子


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