君色 **空色**
「なんか心外なんだけど……」


私の目線に気がついて、彼は私にむくれながら、そう言った


「えっと……ごめん。………で?何で私ここにいるんでしょうか??」


私の言葉に、ハーッとため息をつくと彼は「まったく覚えてないわけだ」と呟いた


「あのな~お前昨日酒飲んだの」

「お酒?」


心当たりはある

広子さんが差し出したグラス、不思議な味がしたあれは、お酒だったのだろう

それでなぜに、私はここに……


「そんで、潰れて、別の部屋で寝かせてたはずなのに、お前昨日突然俺の部屋に来たの!覚えてねぇ?」

「うっ…そ……」


つまり、昨日の夢は夢じゃなかったと……

うっすら覚えている夢

確か私、岩崎くんを押し倒すような事していたような……


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