君色 **空色**
「うん、ほんとだぞ~」


苦笑しながらそう言って私を見つめる彼に、私はスッと視線を下に逸らした

申し訳なさと、恥ずかしさで、もういっぱいいっぱいだ

どうしたら良いのか分からず、そのままうつむいていると、彼の言葉が私にふってきた


「一応、まだ6時だし。部屋戻って寝なおしな。じゃないと、この状態見つかったら誤解されちゃうから」


そんな風にやさしく言われちゃうと、私はもう黙って頷くしかない

彼に亮太くんの寝ている部屋を教えられて、私は彼の部屋のドアを閉めた

ゆっくりと静かに廊下を歩いて、目的の部屋に着くと、スヤスヤ眠る亮太くんの隣、私は布団に潜り込んで自己嫌悪に陥った


『う~私のバカー!!!!』


誰にも聞こえない叫びを上げながら、私は絶対お酒は飲まないでおこうと決意した


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