君色 **空色**
「まぁ、それは置いといて、春休みとか2人でどっか行かんの?」

「え!?いや…特にないけど……」


3人に詰め寄られ、私は困りながらそう答えた

私の言葉を聞いて、トモちゃんが「まぁ、まだ分からないか」と呟くと、思いついたようにバックから包みを取り出してきた


「でも、そんな陽菜ちゃんにとりあえずプレゼント」


「本当は違う子に言われて用意したんだけど、またすぐに用意できるから」とニヤニヤ笑いながら、トモちゃんは私にその包みを私の前に出す

彼女に渡された、よく分からないけれどラッピングされた何か

中に数個何かが入っているようだけれど、開けてみないと良く分からない

開けてみようかと悩んでいる私の心を読んでか、ナイスなタイミングで彼女は私に言葉を付け足した


「今は開けないで良いから。まぁ、とりあえずいつも持ち歩いとき」

「う、うん……」


釈然としないなか、私はその包みをバックへとしまう事にした


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