君色 **空色**
「2月の半ばに慶太とスキー行こうって話してたの」

「そういえばそんな事言ってたね」

「あー、したような……で、慶太の彼女も来るらしいから、楠木もどうかってさ?」


付き合う前に、色々話した中にそんな話があったなぁと思いながら、私は「うーん」と考えた


スキー……
苦手だけれど―――――


「行く…」


春休み中に彼と会えるのなら、私の答えは決まっている

何と言っても2カ月近い休み

こういうのでもなければ、どちらからもお誘いが来なさそうだ


「行くけど、週末か週の頭にして?そしたらバイト休まなくてすむから……」

「だってさ……」


私の要求を、彼が電話の向こうの山下くんに伝えていく

その間、私は嬉しさに緩む頬を隠しながら、綺麗な夜空を眺めていた


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