君色 **空色**
一面白銀の世界

色とりどりのスキーウェアを着て爽快に滑る人々の中、私は叫んでいた


「わぁ~!!止めてぇー!!!」


気がついた時には視界一面真っ白

綺麗に澄みきった青空の中、私は真っ白な雪の上にこけていた


「い、痛い……」

「え!?どっか捻った??」


転んだ私のもとに、岩崎くんは滑ってくると私の様子を窺っている

まったく、どうしてこんなに滑れないのかと自分に呆れ果てる

少し心配そうな顔で私を見ている彼に「捻ってはないけど」と答えながら、それよりもと私は彼に訴えかける


「助けてよぉ~!!立てない……」


恐ろしい

自分でも恐ろしいくらいスキーが出来ない……

悲しくなるが、立とうとしても、滑って立てないのだから、彼に助けを請うしかない


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