君色 ＊＊空色＊＊

「陽菜ちゃんは私とお昼でも行こっか♪」


どうしようかと思い悩んでいると、彼の様子に気づいてか、宮下さんが私にそう尋ねかけてきてくれた

その言葉に感謝しながら、私が「はい！私おなかペコペコです！！！」と彼女に向かって答えた


「という訳だから、気にせず行っといで～」


宮下さんはそう言いながらヒラヒラと２人に手を振っている

２人で彼らを見送ると、彼女は笑顔で私の方に振り返った


「それじゃ、美味しいもん食べにいこっか」

「はい！」


綺麗な人の笑顔は、こちらまで笑顔になってしまう

しかし、そう言って微笑む私を見ながら、彼女は少し不満げな表情を浮かべる


「敬語は禁止！私たち同いなんだから、タメね！！」


そう言って、ニッと笑う顔は、少しさっきの山下くんに似ている


「は……う、うん！」