君色 **空色**
時は私が中学生にあがる頃

家は隣

親が友達同士

そういう家の子供は、必然的に幼なじみになる

私と柏木辰哉もそんな関係だった

彼は私よりも9つ年上で、今年で大学4回生になる

私は今年から中学1年生

私たち2人の日課は、いつも一緒に登校する事だ

最終の向かう場所は違っていても、バス停までは同じ通学路

だから私は毎朝「辰にぃ!」と声をかけて、一緒にそこまで歩いていく


「おぉ!ヒヨコも今日から中学生?」


辰にいはいつも私をそう呼んで、頭をワシャワシャと撫でてくる

私が幼稚園の頃からずっとこんな呼び方だ


ヒナだからヒヨコ


私はニワトリか!!といった感じだ


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