君色 **空色**
ある日の夕方

「ただいま~」と言いながら私が帰宅したのは、6時半過ぎ頃

玄関でクツを脱いで綺麗に向きを整え、リビングのソファに私はカバンを下ろした


「おかえりなさーい」


そう言って台所から顔を出したのは、なぜか自分の母親ではなく、辰にいのお母さんだった


「辰にいのお母さん!どうして今日はうちでご飯作ってんの!?」


そう私が驚いていると、辰にいのお母さんは私のお母さんと顔を見合せて「だって……ねぇ?」と何やらよく分からない反応を示している


「辰哉、来週からアメリカでしょ?だから皆で晩ごはん食べましょう、って事になったのよ♪」

「アメリカ?」


辰にいのお母さんの口から出た言葉に、私は一瞬頭が真っ白になった

脳が中々機能してくれない中、ゆっくりと母親の言葉だけが耳から入って抜けていく


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