君色 **空色**
次の日のテストは『現代社会論講義』

内容は「幼児虐待・DV」の類

先生はめちゃめちゃいい人

チャイ語の前の癒しの一時として、友達と楽しく受けている教科だ

まさかこの教科で彼に会う事はないだろうと思いながらも、少なからず期待してしまう自分がいる


「今日はまさかおらんよな?」


トモちゃんやユゥちゃん言いながら、私は苦笑する


「おらんって……水色の彼?」


あれから私たちの間で、彼は『水色の彼』と呼ばれていた

彼女たちいわく、夏に入ってから『水色の服多すぎるやろ!』と言う事でこの名称がついたのだ


「そう、水色の彼。火曜とか、4つもテスト受けたのに全部かぶってたんだけど!」


レジュメを見ているわけでもないのにペラペラめくりながら、私は彼女たちと話を続ける


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