君色 **空色**
数学の授業の間も、国語の授業の間も、気がつけば辰にいの事を考えていた


優しい手
優しい声
優しい笑顔
優しい言葉


眠れないこの夜に想うのは、たった1人の大切な人

色んな事を考えてみた


辰にいは私をからかっているんじゃないか?
年上だし、私の反応を見て面白がっているとか?


そんな事………辰にいには絶対あり得ないな……

でもどうせアメリカに行ったら、彼女だって……

自分の考えにズキンと痛む胸の奥

そう言えば、辰にいが女の人と歩いているところなんて見た事がない

その光景は、想像しただけで私の胸を痛くさせた

辰にいの隣りに、誰か歩いてる人がいると考えるなんて、そんな事したくない

私が、その場所にいたいよ………


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