君色 **空色**
「辰にい!!!」


空港について、私は出国便の掲示を確認して、走り続けた

そうしてようやく見つけた彼の姿

もう家族との別れもすませた辰にいは、ゲートに向かう寸前だった

それを阻止すべく、周りの目なんてお構いなしに、私は彼に向って叫んだ


「陽菜!?」


私の声に気がついた辰にいが、驚いた声をあげて私を見つめていた

そんな辰にいのもとに勢いよく私は駆け込んで、彼に抱きついた


「ごめん、ごめんなさい……辰にい、私も好き!私も辰にいが好き!!」


突然の私の登場と告白に、最初は驚いて停止していた辰にいだけれど、少しするとゆっくりと私を包む腕の強さを感じた


「陽菜……陽菜、辰にいじゃなくて……辰哉って呼んで?」


その言葉に私はゆっくりと辰にいを見上げた


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