君色 **空色**
「やっ…だめっ……岩崎…くん。やっぱり私、まだ怖いよ……」


暗闇の中でうっすら見える、私の瞳はきっと潤んでいるだろう

初めての行為に怖さを感じて、私は途切れ途切れに彼にそう言葉を発した


「大丈夫、ゆっくりしたら怖くないから」


そんな私を安心させるかのように、彼は私に優しく笑った

それでも私は不安を感じて、彼から視線を逸らした


「でも……」

「大丈夫だから、俺がちゃんとリードするから……」


何故か今日は優しい彼の言葉に、私は戸惑いを感じてしまう


まって、私……
戸惑いって!!
これじゃあ私はいじめられてる方が好きみたいじゃない!!


頭の中で、そうツッコみつつも、今はそれどころでなくて……


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