君色 **空色**
どうやったら素直になれるか、誰か私にレクチャーしてほしい

そう心の中で溜息をついていると、彼は私に1つお願いごとをしてきた


「じゃあ、もう1つプレゼントくれませんか?」


唐突に投げられた質問

「何だろう?」と思いながら、私は彼の方を見て次の言葉を待った

ゆっくり彼が私に近づいてきたかと思うと、耳にかかる私の髪をかきあげて静かに囁いた


「キスしても良い?」


その言葉と吐息に、私の体温は上昇していくのが分かる

「えっ、あっ……えーと……」と訳の分からない事を言いながら、私は俯いたり、顔をあげたり


キスって……キスなわけで………
えーっと、したくないわけじゃないけど、その………


混乱する頭で悶々と考えていると、彼は苦笑しながら「冗談だよ」と言って私の頭をわしゃわしゃと撫でた


< 238 / 292 >

この作品をシェア

pagetop