君色 **空色**
「ひーなーちゃん♪」


ホテルに帰ると山下くんと佳奈さんは、すでにロビーで休んでいた

私たちが帰ってきたのを見つけると、佳奈さんはパタパタと私のもとにやって来る


「寒かったでしょ??部屋戻ろ♪」

「んみゃ!?」


良く分からない言葉を発して混乱する私を、佳奈さんは腕を引っ張ってエレベーターに向かっていく


「ごめんね、突然」


エレベーターのドアが閉まるなり、彼女は私に向き直るとそう謝った


「え!?何で謝るんですか?………というかむしろ感謝というか、何と言うか………」


そのまま口をもごもごさせている私を見て、彼女は「やっぱり」と呟いた


「陽菜ちゃんやっぱり心の準備出来てなかったでしょ♪」

「う゛っ……」


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