君色 **空色**
「おっはよぉー♪」


いつものように彼を起こして、朝食をとった後、私たちは大学の教室まで走って向かう

バイトのあるヒールの日には、この習慣は勘弁してほしいくらいつらい

なんとか走って授業に間に合うように教室に入れると、私は元気に友達に挨拶して席についた

席は今学期も前と同じ

彼は私の斜め前の席

元気よく私は教室に入っていくと、自分の席についた

授業が始まって少しして『ヒマだな~』と思いながら首の辺を触って、私は少しニヤけてしまう

そこにかかっているモノに触れて、嬉しくなるからだ

そこにかかっているのは、バレンタインのお返しに彼がくれたペンダント

ハートのチャームのペンダントを買いに行ったときは、それはそれは恥ずかしかったそうだ

それが嬉しくて、私は毎日のようにそれをつけて大学に来ている

彼からもらった初めてのプレゼント

ただ傍にいてくれたら良いと思う私だけれど、やっぱり形のあるモノを貰うのだって嬉しい


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