君色 **空色**
「陽菜ちゃーん」


食堂につくと佳奈さんが、突然勢いよく私に抱きついてきた


「佳奈さん久々です♪」


私がそう言うと、佳奈さんは「ほんとよぉ~」と私のおでこをつついた

突かれたおでこを手で押さえていると、彼女は不服そうに言葉を続けた


「ってか、陽菜ちゃんまた佳奈さんになってる!佳奈で良いって!!またはカナッペとか?」


その言葉に、私は抵抗を感じて慌てて首を横に振った

『佳奈さん』は佳奈さんであって、私の中ではなんとなく呼び捨てな感じではない

思った通りに彼女にそう伝えると、彼女は少し考えてから「そんじゃ、100歩譲って『佳奈ちゃん』は?」と尋ねた


「『佳奈ちゃん』って……キャラじゃねーじゃん、お前………」

「それが彼女に言うセリフ?」


山下くんの言葉に佳奈さん……佳奈ちゃんが透かさず突っかかっていく


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