君色 **空色**
食事を終えて、雑談をしながら私たちは次の授業に向かうべく、食堂を出た
大学内の横断歩道を渡りながら、前を歩く山下くんと佳奈ちゃんは漫才のような会話を続いている
それを笑いながら聞きいていた時、突然私は視界の端に何か違和感を感じて足を止めた
マンモス校なだけに、食堂に続く道を行ききする人の数は多い
特にいつもと変わりないはずなのに、何かが引っかかる
先ほどすれ違った時に香ったのはタバコとコーヒーの香り
特に珍しい香りではないのだけれど、私はその人の姿を確認すべく、後ろを振り返った
「楠木?」
横に並ぶ岩崎くんの声が聞こえた気がした
だけれど、それよりの私の思考回路は、視線の先にある人物に注がれていた
「辰にい?」
視線のその先にいる人は、あの頃と少しも変わっていない人の姿
「陽菜?」
「辰にい!?」
大学内の横断歩道を渡りながら、前を歩く山下くんと佳奈ちゃんは漫才のような会話を続いている
それを笑いながら聞きいていた時、突然私は視界の端に何か違和感を感じて足を止めた
マンモス校なだけに、食堂に続く道を行ききする人の数は多い
特にいつもと変わりないはずなのに、何かが引っかかる
先ほどすれ違った時に香ったのはタバコとコーヒーの香り
特に珍しい香りではないのだけれど、私はその人の姿を確認すべく、後ろを振り返った
「楠木?」
横に並ぶ岩崎くんの声が聞こえた気がした
だけれど、それよりの私の思考回路は、視線の先にある人物に注がれていた
「辰にい?」
視線のその先にいる人は、あの頃と少しも変わっていない人の姿
「陽菜?」
「辰にい!?」