君色 **空色**
「久々だな~」


そう言いながら、辰にいは段ボール箱のガムテープをビリビリと破っていく


「何年ぶり?ってか辰にい今いくつになんの?」


「28」と答える彼に「28で助教授候補!?」と驚きの言葉をぶつける

この大学に来た経緯を、彼の部屋に来るまでの間に聞いていた私は、今日何度目になるか分からない驚きの声を上げていた

この年になってようやく分かる

辰にいはマジで頭が良かったようだ……

その上このルックスだ

ここに来るまでに、何度女性に見つめられた事やら……


「この人はただの幼なじみですよ~」


と1人1人に弁解していきたかったところだが、そう言う訳にもいかなかった

変な噂が広まったらヤだな~と思いながら、ようやく人目につかない部屋につけて、今は少々安心だ


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