君色 **空色**
「んじゃ、陽菜はこの箱の本を種類別にそっちの本棚に並べていって」

「ほいほーい」


返事をして、重い段ボール箱を引きずって本棚の下持って来ると、私は何冊かまとめて出して、項目ごとに並べていく


「さすが手際良いな……」

「当たり前、だてに昔独学で図書分類法勉強してないっての」


そう言いながら、数十分後には2つ目の段ボールに私は手を伸ばした


「これだと結構早く終わりそう?」


室内にある段ボールを見ながら私がそう言うと、辰にいは「うーん」と唸っている

何故にそこでそんな反応?と首をかしげていると、突然部屋にノック音が響いた

「どうぞ」と辰にいが返事をすると、中に入ってきたのは複数の作業員と、段ボールの山だった

作業員が段ボール箱を運ぶのを放心状態で見つめていると、いつのまにか数十個の段ボールが山となっていた


「これは1時間では終わらないかも……」


私がそう呟くと、辰にいは苦笑して「まぁ、頑張って」と他人事のように言葉を返した

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