君色 **空色**
彼の留学話を聞きながら、ほとんどの本が本棚にしまわれた時、突然私のケータイが鳴りだした

慌ててバックからケータイを取り出して出ると『あ、俺』と岩崎くんの声が聞こえた

ほとんど毎日会っているから、彼から電話がかかってくるなんてめったにない

だから、少しテンションが上がってしまう

ちょっと苛めてみちゃおうかな~と思いついた私は「俺、俺サギですかぁ~??」と返してみたりする


『まだ用事終わってねぇの?』


私のいじりはあっさりスルーだ

ちょっと不服に思いながらも、私は彼の質問に答えていく


「ん?今から出ようかなって思ってたとこだよ」

『今どこ?』

「今?えーと、教授棟って言うの?社学の横の建物の3階」


私の言葉を聞いて彼は『そんじゃ、下で待ってる』とだけ告げる

それに「うん」と答えていると、後ろから辰にいに声をかけられた

それに返事をしつつ、彼に「すぐ下行くね!!」と言うと、私は電話を切ってバックに直した


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