君色 **空色**
「え?」と混乱と驚きでパニックになる私を、彼はぐいぐい引っ張って社学の裏へと引っぱっていく


「岩崎くん!?え?何???」


戸惑いながら彼に言葉をかけるが、彼は依然黙ったまま

そのままあまり人の来ない影にやってくると、私はグイッと引っ張られて壁に押し付けられていた

目の前にはまっすぐに私を見つめる彼

戸惑いながら彼を見ると、彼の瞳に自分が映っているのが分かった


「俺の前でアイツの話しないでくれ」

「え?アイツって……たつっ…」


彼が突然放った言葉に、意味が分からず返そうとした瞬間に、私の口は塞がれてしまっていた


「ん!?」


突然のキスに驚いて反射的に彼から身を離そうとしたが、力的に敵わない

それでも抵抗の色を見せていると、一瞬彼の力が弱まった


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