君色 **空色**
「いわっ……」


唇が離れたその瞬間に、彼の名前を呼ぼうとすると、その時開いた口に彼は自分の舌を滑り込ませてきた


「ん!?……っん………」


訳の分からない状況に、私は戸惑い混乱する


何!?何このキス!!


口内で私の舌を絡め取られて、私は脳がしびれるのを感じた


こんなの知らない!

どうしたら良いの?頭がボーっとしてくる……


抵抗しようと思っても抗えない

抗おうとする意思が薄れていくのを私は感じていた

長い口づけが終わって解放された途端に、私は力が抜けてそのままそこに崩れかけた

そんな私の体を彼はサッと腕で受け止めて、私を見つめていた

肩で息をしながら「何?どうして、突然こんな……」と呟いて彼を見つめていると、彼は何だか自分でも自分の行動に驚いているような表情を浮かべていた


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