君色 **空色**
「わりぃ、俺……」


突然降ってきた謝罪の言葉に、何だか自分を否定されたように気がして、私はビクリを体を震わせた


「ごめん……俺の事怖い?怖かったら、今すぐ逃げて良いよ」


そう言って、彼は私を離すと全くこちらを見ようとしない


私がキスで倒れかけたからなのかな?


好きすぎて時々不安になる

恋愛経験値の少なすぎる私に、彼は絶対遠慮しているに違いない

だから時々、こんなめんどくさいヤツって思われて、飽きられるんじゃないかって怖くなる


「………帰ろう?岩崎くん」


そう言って、私は彼の手を取って歩きだした

あのまま1人でその場を立ち去ったら、次がない気がして怖かった

それでも、今の状況で私は何を話したら良いか分からなくて、黙って歩き続ける


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