君色 **空色**
自分で言っていて、何だか泣けてくる

涙声になっている私に気がついて、佳奈ちゃんは慌てて言葉を発する


『え!?何故に??ってか、どんな状況でそうなったのか分からないけど、むしろどっちかって言うと翔太のが嫌われる立場なのでは??』

「だって……私倒れかけたんですよ?そんなめんどくさい女嫌じゃないですか??」


私がそう言うと、彼女はしばらく黙ってしまう

ほら、やっぱりそうなんじゃん

ポロッと涙が瞳から落ちてきた


『陽菜ちゃん……』


私の名前を呟くように彼女は言うと、その後さっき以上のテンションで言葉を発せられ、私は思わず耳から受話器を外した


『陽菜ちゃん、可愛い~!!!!!』


キーンとなった頭をふって意識を戻しながら、受話器を再び耳に当てると、私は「へ!?」と言葉を返した


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