君色 **空色**
「陽菜……俺は今も陽菜が好きだよ」

「何バカ言ってんの?生徒口説いてどうすんの、柏木先生?」


冗談にしか聞こえない言葉に、私は軽口をたたいていると、突然力強い腕の中に引き寄せられていた


「ひゃっ!」


驚いて思わず口から悲鳴が漏れてしまう

それよりも……

これは一体どういう状態なのでしょうか??

クエスチョンマークが頭の周りを飛び交っている中、私はゆっくり辰にいの腕から解放されると、肩を掴まれたまま彼に見つめられたいた


「おちょくらないでくれる、陽菜……俺は今も陽菜が好きだ」


ジーっと辰にいを見つめ返しながら、私はようやく事の重大さに気がついた


辰にい本気だ……


冗談と思って軽口をたたいてしまっていた事に、申し訳なく感じつつ、私は気持ちを引き締め直すと、辰にいの言葉に返事を返した


< 274 / 292 >

この作品をシェア

pagetop