君色 **空色**
両者、どちらも送っていたはずなのに、どちらも手紙を受け取っていなかったなんて……

一体どういう事??

うーんと考え込んでいると、私の頭に浮かんできたのは日常の朝の風景だった

ポンっ!

手をたたいて、私は辰にい向かって「私、私と辰にいが上手くいかなかった理由分かったかも」と呟いた


「お節介な両親をもった為に起こった悲劇ね」


苦笑しながらそう言う私に、辰にいは訳が分からないっと言った感じで首をかしげた


「どちらも嘘は言っていない。私も辰にいも手紙を送っていたのよ。なのに、どちらも受け取る事はなかった。どうしてだと思う?」

「親が、それを阻止してったて言うのかよ?」

「そう」


私の回想シーンは、日常の風景だ

朝、絶対に玄関で出会うお母さん

あれは辰にいからの手紙が来ていないか確認していたのだ

そうして、ポストの方に向かおうとする度に出会う辰にいのお母さん

あれは私からの手紙を阻止していた訳


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