君色 **空色**
チャイムと共にテスト用紙を表に返すと、そこには意外と出来るような気がする問題が広がっていた


いや、これも昨日ひたすら勉強したおかげ?


そう思いながら、私はペンを進めていく

シャーペンをクルクル回しながら、心の中でほくそ笑む


ピンインあんまり出てなーい♪


ピンインというのは、日本語で言うと読み仮名みたいなもの

私はそれがあり得ないくらい苦手だ

ローナ字表記のくせに、英語読みでないところが、余計に憎らしさを倍増させる

その事を考えただけで、何だか眉間にしわが寄ってくる

時々分からない問題にあたったところで、頬を膨らしたりしながら考えつつ、とりあえず全体を解いて、私はひと息ついた

隣を一瞥すると、彼はまだ解いてる様子

見直しついでに書けなかった所を思い出すために、ひたすら頭の中で教科書をめくるが、全く出てこない


< 29 / 292 >

この作品をシェア

pagetop