君色 **空色**
そう彼女が言うのも分からないでもない

けれども、私は西洋史が本当にちんぷんかんぷんだ

それはもう『カタカナなのが悪い!』とカタカナの弱い私としての文句を言ってはみるが、それ以前な気もする

とりあえずテストの事なんて忘れたい私は、何の脈絡もない話でテストの事を忘れようとした


「昨日のテレビ見た?」
「夏休み何するん?」


そうやってどうでも良いような事を質問しているうちに、嫌でも学校についてしまう

そうして校門からもしかしたら1番遠いのではないかという社会学部の、しかも第5別館に私たちは向かう

教室に辿りついて、まず見るのは座席表だ

自分の学籍番号を探して、一生懸命に席を覚える

そうして階段を上がりながら、数を数えて自分の席を探していく


『ここかな?』


そう思いながら、私は後ろに続くトモちゃんに「ここ?」尋ねた


「多分あってる」


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