君色 ＊＊空色＊＊

そうやって彼と話していると、「楠木さん？」と声をかけられた

顔を上げるとそこには、言語系の授業が一緒な稲田さんの姿があった


「稲田さーん！！この授業とってるの！！」


驚いて私がそう言うと、彼女は笑顔で「うん」と答えた


可愛い～


「良かった。１人で少し不安だったんだ～」


『惚れてまうやろぉー！』と心の中で叫びながら「私も１人！！もー不安だよね！！！」と返す


「あ、えっと言語一緒なんだ♪」


そう言って沼田くんに彼女を紹介しながらも、会話は稲田さん寄りになってしまう


「稲田さん、稲田さん！これも何かの縁だわ♪アド交換しよっ」


ニコニコと私が嬉しそうに言うと、彼女は快くそれを承諾してくれる

「それじゃ、私から送るね」と彼女は自分のケータイを取り出すと、私の赤外線受信の部分に自分のケータイを向けた