君色 **空色**
「稲田さん」
「はい」


ルナちゃんが名前を呼ばれて返事をすると、私は次に呼ばれるかなぁと思って顔を上げる

ルナちゃんと私の学関番号は比較的近いので、知り合いが他に見当たらない所を見ると、次は私が呼ばれるだろう

そうあたりをつけていると、意外な名前が次に読み上げられた


「岩崎さん」
「…………」


一同、誰も返事をしない


「岩崎さん、岩崎翔太さん」


彼だ

彼の名前だ

あのテストの日以来一度も会っていない、水色の彼の名前だった


「初日から休みかぁ~」


そう言いながら、先生はボードにチェックを入れている


「楠木さん」
「は、はい」


自分の名前を呼ばれて慌てて返事をしながらも、私は彼の事を考えた


岩崎くん………

また同じ教科取ってるよ!!


そう思うと、おさまったはずの笑いが再び込み上がってきた


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