君色 **空色**
そうやって過ごした大学の新学期だけれど、なかなか岩崎くんに会う機会はなかった

言語が一緒のはずなのに……

それならどうして会わないのかというと、彼は全く大学に来ないのだ

そりゃ、春学期に気がつかないわけだ

それを気がつかなかった理由にしてみるも、自分の周りを見てなさがヒドイ事には変わりない

そう1人反省し始めた頃の木曜日

いつものように演習の教室へ向かうべく、4階まで続く階段を歩いて上がっていく

さすがにこれは未だにキツイ


年とったかなぁ~


そうへこみつつも、教室に入ると、いつものように奥の端っこの席に腰かけた

ミィちゃんが来て、ルナちゃんが来て、沼田くんが来ていつものメンバーがそろう

そうして今日はもう1人

授業開始の時間が迫った頃、数カ月ぶりに顔をみた彼の姿

お友達さんと一緒に、ちょうど私たちとは逆サイドの席に腰をかけた

彼は……私にはまだ気がついていない様子?

そう思っていると、いつもように遅れ気味でラフな講師が入ってきて、授業が開始した


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