君色 **空色**
「岩崎くんから全く返事こないんですけど―――!!!!」


翌日の1限目の授業

キリスト教学の教室で、休み時間私は叫んだ


「陽菜ちゃん、ほんまに彼氏の返事待つ彼女みたいやで……」


隣に座るトモちゃんに「だーかーらー」と返すも、彼女はもう聞いてさえいない


確かに、文句を言っても始まらない

この件の文句を言っても始まるのは、授業だけだ

パイナップルが前に出て、講義を始めだしたのを横目で見つつ、私は再び思いを巡らす


「あれか!彼女だよ、絶対!!」


パイナップルに聞こえないように小声で私が囁いていると「それだと、浮気だね」と嬉しそうに、トモちゃんが笑ってくる

それを眉間にしわを寄せて、見つめると「ごめんごめん、彼氏の悪口で怒った?」なんて拍車をかけてくる


もういい、この話題はそっとしておこう


そう自己完結すると、私はパイナップルの話に耳を傾け始めた


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