ロマンス@南国
見ることが出来た。


 あたしは気になるニュースをピックアップして見ながら、同時に旅行の後片付けまでしてしまう。


 トランクを開けて、南国の太陽に焼かれたからか、汗染みが浮き出ているシャツや下着類を洗濯機脇の汚れ物入れに入れて、更に買ってきていたお土産類を取り出し、店のホステスの子達に渡すつもりでいた。


 あたしは基本的に面倒見がいいのだ。


 旅行に行くことは滅多にないのだが、行けば自分用のものも含めて、たくさんのものを買い込み、それを惜しげもなく親しくしている人たちに渡して回る。


 不思議なもので、こういった些細(ささい)なことでも、仕事仲間たちは断然喜ぶ。


 そしてあたしを慕うようになるのだ。


 これは紛れもない事実だった。


 あたしはその日一日オフだったので、ゆっくりしながら、明日の出勤の準備をして、夕方早めに食事を取り、その後、またパソコンを開く。


 それからあたしにあの理不尽極まりない出来事が巻き起こったのだ。

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