ロマンス@南国
 あたしと喬はそれだけ超越した仲なのだった。
 

 お互い、あの世へと旅立っていった以上、どこかしらであたしたちはまた再会するはずだ。


 また会える日を夢見て、あたしは最後の最後で意識が完全になくなってしまう直前に、脳裏にあるものを思い浮かべた。


 それは二人で飛び立ったあの島に咲いていた、色鮮やかな赤色をしたハイビスカスだ。


 その真っ赤な色があたしの人生最後の記憶だった。


 その次にあるはずの現世の記憶はもうない。


 あたしは天へと召された。


 ゆっくりとまるで階段を一段一段昇っていくかのように……。

                       (了)


< 119 / 119 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:4

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

歌舞伎町ボーイズ

総文字数/65,736

ミステリー・サスペンス273ページ

表紙を見る
週刊誌ライター

総文字数/207,426

その他902ページ

表紙を見る
ブラッド

総文字数/90,535

ミステリー・サスペンス349ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop