ロマンス@南国
 あたしたち二人は何事も乗り超え、やっと一組のカップルに収まったのだった。


 新宿のホテルの一室で、あたしと喬は互いに外出する準備を済ませ、部屋を出た。


 バタンという音がしてオートロックが掛かったので、あたしたちはエレベーターホールに出る前に忘れ物がないかどうか確認する。


 あたしたち二人はホテルをチェックアウトしてから、喬の新宿の部屋まで行くことにした。


「朝ご飯食べない?」


 あたしが誘いを掛けてみる。


 喬が黙ったまま頷いたので、あたしたちは新宿でも大通りにあるコーヒーショップに入っていった。


 今からモーニングを食べ、お腹を満たした後、彼の部屋へと向かうのだ。


“新宿の外れの1Kの部屋って、どんなところだろ……?”


 あたしは脳裏に微(かす)かにある二十年前の記憶を甦(よみがえ)らせながら、コーヒーショップでモーニングを二人分頼む。


 朝とあってか、店内は一際空いていた。

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