ロマンス@南国
ウエイトレスがやってきて、
「ご注文は?」
と訊いてきたので、あたしが写真を見せながらジェスチャーで伝える。
あたしも喬もゆっくりと窓外の景色に目を移す。
やはり南国だからだろう、ここはシャングリラ――いわゆる理想郷だった。
人間同士が生きていても、互いにいがみ合うことが一切なく、平和な日々が続く楽園だ。
「亜紀子」
「何?」
「こののんびりペース味わえるの、今だけだよな?」
「ええ。日本に戻ればいつも通りになるわよ」
「今を楽しもうね」
「うん。そのつもり」
あたしが頷き、喬をケータイに付いているカメラで撮り始めた。
「ご注文は?」
と訊いてきたので、あたしが写真を見せながらジェスチャーで伝える。
あたしも喬もゆっくりと窓外の景色に目を移す。
やはり南国だからだろう、ここはシャングリラ――いわゆる理想郷だった。
人間同士が生きていても、互いにいがみ合うことが一切なく、平和な日々が続く楽園だ。
「亜紀子」
「何?」
「こののんびりペース味わえるの、今だけだよな?」
「ええ。日本に戻ればいつも通りになるわよ」
「今を楽しもうね」
「うん。そのつもり」
あたしが頷き、喬をケータイに付いているカメラで撮り始めた。