ロマンス@南国
 島の夜は蒸し暑い。


 あたしたちは性交しながら、お互い汗が流れ出るのを感じ取っていた。


 あたしも汗を掻くし、若い喬はあたしなんかよりすっかり汗だくになっている。


 あたしも彼も交わりながら、体が火照るように熱くなるのを感じていた。


 あたしたちは性器同士を結合させて繋がっている。


 三十代後半で、あたしはまだ妊娠する可能性が十分あった。


 ただ、普段からセックスに関してすっかりご無沙汰だからか、あたし自身、受胎するのはまず無理だと思っている。


 確かに女性にとって子供を授かるのは一番嬉しいことだろう。


 だが、あたしは銀座では誰もが知る、クラブキュロールのママだ。


 多分中年の男性客が来て、あたしが喬と付き合っていることを打ち明けたら、驚くに違いない。


 別に年上の女性に、年下男性がくっつくのは珍しいことじゃないし、そういったケースもあるにはあるのだ。

< 85 / 119 >

この作品をシェア

pagetop