ロマンス@南国
 仕事上、あたしは来てくれる客に対し、そういった自身の私生活に関しては一切言わないし、また言いたくもない。


 夜な夜なキュロールにやってくるオヤジたちは、あたしやホステスたちに恋焦がれてくるのだ。


 中には変態のような客もいた。


 ホステスの女の子にちょっかいを出して、悪ふざけする客もだいぶいたし、実際に今でもいる。


 ただ、あたしはそういった客には一言言って店から出てもらっていた。


 キュロールはそこら辺にあるキャバクラとは訳が違う。


 あたし自身、銀座ではすっかりお馴染みになっていた店に変な人が出入りするのを極力警戒していた。


 あたしは元々かなりプライドが高い。


 おまけにブランド志向だ。


 高額のお金を支払う以上、欠陥品は買いたくなかったし、いいものを大量に買う習慣が付いていた。


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