ロマンス@南国
あたしのような患者もとりわけ珍しいわけじゃなかった。
それに病院のドクターはおろか、看護師や事務担当の人間まで皆丁寧だ。
あたしは通院するたびに、疲れていた心が着実に癒されるのを感じていた。
一回の診察料と薬代だけで一気に数千円が飛んでいくのだが、それはそれで構わないのだ。
あたしは銀座の女帝である。
数千円の金など、小銭のようなものだ。
あたし自身、所定の薬をもらい、悩み事まで聞いてもらってそのぐらいのお金で済むのだから、これ以上いいことはなかった。
あたしは喬には悩み事を一切話していない。
彼が変に心配して、気を回しすぎるといけないと思っていたからだ。
おまけにあたしはそういったことに関しては、ステルス――隠密を決め込んでいた。
喬は確かにあたしの気の病に関して偏見など持たないだろう。
彼は純良なのである。
それに病院のドクターはおろか、看護師や事務担当の人間まで皆丁寧だ。
あたしは通院するたびに、疲れていた心が着実に癒されるのを感じていた。
一回の診察料と薬代だけで一気に数千円が飛んでいくのだが、それはそれで構わないのだ。
あたしは銀座の女帝である。
数千円の金など、小銭のようなものだ。
あたし自身、所定の薬をもらい、悩み事まで聞いてもらってそのぐらいのお金で済むのだから、これ以上いいことはなかった。
あたしは喬には悩み事を一切話していない。
彼が変に心配して、気を回しすぎるといけないと思っていたからだ。
おまけにあたしはそういったことに関しては、ステルス――隠密を決め込んでいた。
喬は確かにあたしの気の病に関して偏見など持たないだろう。
彼は純良なのである。