<短編>美しいさよならをしましょう
「わたし
あなたとはまだ結婚できない。
でもあなたを失いたくない。
子供が大きくなったら、それでもまだわたしのこと愛してくれていたら
わたし離婚するから、
結婚しましょう。」
いつもの
あなたの部屋で
静かに言葉を放つ。
すると、
あなたは
にこりと笑い、
「俺は待てるよ。
結婚したら、堂々と幸恵のこと、妻としてみんなに紹介できるね。」
と言った。
それを聞いて、
いつか
夫に
さよならを
告げなければいけない、と
思ったわたしがいた。
<完>