<短編>美しいさよならをしましょう


「…なんでもない。」

そう言って、あなたはわたしの腕を掴んでいた手を離し、視線をそらした。

ちゃんと事情をわかっていてくれる。
という安心感。

だからあなたに甘えてしまう。

だけど、いつかわたしたちの関係なんて壊れてしまうことはわかっている。
一生隠していける、なんて思ってない。
一度ひびが入ったら、軽く突いただけで崩れてしまう。

それまでの遊び。


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